神を明かし、死を明かし、死への恐怖を成る程死とは呆気のなきものだと克服すること。
科学とは、未知を分類せんとする営みであつて、そこに神秘は必要なからう。
科学とは何とも退屈なものである。
神秘さ故に興味を惹かれ分類し明かしてみると、成る程呆気のなきものだと知る。
神秘に溢れた世の中を無味乾燥なるものとする、最も退屈な営みが科学であらう。
天才とは、その才を以つて人には成し得ぬ物事を行ふ者やも知られぬ。
故に神秘が存在し、そこに人は神を感ずる。
人はそれを崇めるが、或いはそれは結果を残すだけの空虚に過ぎぬ。
顕現せぬ超常な理論によりて生み出される結果とは、乃ち偶然である。
人は偶然を、そして個性を求めるが、大切なのは没個性的な必然としての体系である。
そこに神を感じるうちにはそれは偶然に過ぎず、乃ちそれは思考停止による停滞である。
感傷に浸り神を感じ心を動かす暇などあらば、その神秘を失はせ退屈なものにせんと試みるべし。